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文芸レビュー「千里眼 トランス・オブ・ウォー」

千里眼トランス・オブ・ウォー 上  小学館文庫
千里眼トランス・オブ・ウォー 上 小学館文庫
松岡 圭祐

★★★★★

「戦争と平和」をテーマにした様々な著作物は数あれど、この作品は少し違います。
戦争の際に起こる兵士の心理状態を解明し、戦争の根絶を目指す。
なぜ戦争になると、兵士は非人道的な行為を平気でするのか。
その謎を「トランス・オブ・ウォー」の理論のもと、主人公岬美由紀が解明、解決していきます。

前作「へーメラーの千里眼」とは別のストーリーとはなっていますが、美由紀の過去がさらに明らかになります。さらに嵯峨敏也も登場しない、千里眼独自の内容です。
僕が印象的だったところは、美由紀が捕らえられた武装勢力の居住集落が米軍のガンシップ、AC-130による空爆のところです。AC-130に襲われると、怖いものですね…。克明な描写がリアリティがありました。

AC-130のことが明らかになり、実戦投入されたのはアフガン攻撃の際です。まだ最近のことですので、メジャーな著作物に登場したのは初めてのことでは。
また、謎の多いイラクの事情もよく分かる内容でした。
「華氏911」のごとくブッシュ大統領の批判さえもある内容といい、けっこう問題作かも。

PHOTO -ART- 「egg」





(C) Kohey Inaba
2003.12
EOS7 RVP(135)

愛・地球博閉幕




南太平洋共同館で陽気に太鼓でビートを響かせていた連れのコージ君。現地人もビックリ?!音楽は世界共通言語といったところでしょうか。

終わってみれば、なんだか寂しいですね。
僕も8月に行ってきました。
なんだかんだ、おもしろかったです。特にトヨタグループ館が気に入りました。
僕のような地元出身者からすると、長い間、待ち焦がれたイベントでしたから。
計画の時から当初はトラブル続きで、開幕当初もトラブルが続きましたが、終わってみれば2200万人を越す来場者を集め、大成功に終わりました。

思えば名古屋は1988年のオリンピック招致失敗に始まり、首都移転招致失敗に、2002年のワールドカップ開催地招致も失敗。まるで呪われているかのような名古屋が最後に希望を託した万博。何とか成功を収め、これまでのトラウマも払拭しました。結果からすると、オリンピックやワールドカップよりも断然、効果があったのではないでしょうか。
オリンピックもワールドカップも、せいぜい一ヶ月のイベントですから。
この万博の思い出は、人々のなかにずっと残っていくことでしょう。

映画レビュー「2046」

2046
2046

★★★☆☆

トニー・レオン演じる小説家チャンを中心に、様々な男女関係を描いていく、とりとめのない内容。
1960年代の香港のとあるアパートと、チャンの書く近未来SF小説「2046」の世界が交互に進められていきます。

僕も趣味で小説とかを書くので、チャンのやっていた自分の身近な出来事を、小説の中で別世界で再現することはよく分かります。
映画の中では、それが1960年代と近未来の時代が交互に描かれ、映像としては、クラシックな感じとフィーチャーな感じが交互に。しかし、近未来といっても、1960年代から創造する未来なので、妙なクラシックな感じさえもありました。
それがその中間の時代ともいえる、この2005年から見ているので、こちらの立場からすると、両者ともまったくの別時代であり、別世界。

1960年代だけのシーンを見てると単なる古い映画に見えますが、その古さに「2046」の世界が織り交ざった、今までにない不思議な映画でした。